いびき聞こえる客室狙い、針金で解錠 中国籍のホテル窃盗団逮捕 全国で20件被害裏付け
福岡市のビジネスホテルで現金などを盗んだ容疑で兵庫県警捜査3課と生田署などに逮捕された中国籍の男3人が、関東から九州まで6府県のホテルでも同様の行為を繰り返していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。3人は深夜、いびきが聞こえる客室のドアを特殊な針金で開けて侵入=イラスト。就寝中の客の財布などを盗んでいたという。
逮捕されたのは、中国籍のそれぞれ44歳、42歳、38歳の3容疑者=いずれも窃盗罪などで公判中。
捜査関係者によると、3人は客室フロアに防犯カメラが設置されていないホテルを探し、ドアに耳を当て、いびきが聞こえる客室を確認。ドアを閉じれば自動的に施錠されるオートロック式の部屋に、ドアの下からV字形の針金を差し込み、室内側のドアレバーを下げて解錠し、侵入していたという。
3人は2017年12月~18年11月、新幹線などで移動し、兵庫や神奈川など6府県のホテルで窃盗を繰り返した疑いがある。44歳の容疑者は「盗んだ金で家電製品を大量購入し、本国で転売していた」と供述している。同課などは約20件、300万円相当の被害を裏付け、近く捜査を終える。
3人は観光目的の短期滞在ビザを使い、出入国を5回ほど繰り返したとみられる。県警によると、日本で短期間に荒稼ぎした後に出国する手口は「ヒットアンドアウェー」と呼ばれ、近年、外国人窃盗団の間で横行しているという。