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新生活を始める前に知っておきたい防犯対策 第2回 空き巣犯の手口とは?

今回は「空き巣犯の手口」をテーマに、被害の現状や発生条件などを見ていきたい。
○1日200件以上の侵入窃盗が発生している

警察庁の統計によると、侵入窃盗の認知件数は過去最多を記録した2002年(338,294件)から減少しており、2015年時点では4分の1程度の86,373件となっている。しかし、1日に換算すると約240件! そう考えると、空き巣はひと事でなく、自分の身にも起こる可能性があるということがわかるはず。

ALSOK広報部 主任であり、セキュリティ・アドバイザーの方は「金品などを盗まれたという損失だけでなく、”悪意を持った人間に侵入された”、”また侵入されるかもしれない”という精神的なダメージも大きいので、日ごろから適切な対策を行っておくことが大切です」と話す。
○侵入窃盗の実態とは?

「侵入窃盗」と聞くと、留守の家に泥棒が忍び込む「空き巣」をイメージする人が多いだろう。実際、警察庁の調べによると侵入窃盗における手口としては、約6割を空き巣が占めている。しかし、それだけではなく、家にいるときに侵入される場合もあるのだ。それが、ベランダに洗濯物を干しているときなどに素早く部屋に忍び込む「居あき」、夜中の就寝中に室内に忍び込む「忍込み」というもの。

在宅中に部屋に侵入され、もし犯行者と鉢合わせてしまったら……そう考えるとゾッとしてしまう。「これ以外にも、帰宅時に玄関ドアを開けて入ろうとしたときに、つけ狙っていた泥棒が侵入してくるというケースも発生しています」とのこと。これらの被害に遭わないためには、常に警戒を怠らないことが重要だ。
○「無締り」を狙った侵入手口の数々

続いては、侵入窃盗における”侵入手口”について見ていきたい。警察庁の調べによると、最も多いのが「無締り」(45.7%)で、その後に「ガラス破り」(35.1%)、「施錠開け」(6.0%)と続くのだが、鍵を閉めていない住宅を狙った侵入窃盗が約半数も占めていることがわかる。これについては「オートロックのマンションでは、つい油断して玄関や窓の鍵を閉めない方が多いんです」と話す。

また、「上層階に住んでいるから大丈夫」と安心しがちな人も多いかもしれないが、同じく警察庁の「侵入窃盗 発生場所別 侵入口・侵入手段別 認知件数」の調べによると、4階以上の共用住宅では「鍵が閉まっていない窓(ベランダ)」からの件数が非常に高くなっている。なぜかというと「屋上や非常階段などからベランダへ侵入し、ベランダ伝いに隣の住戸に移動しつつ次々と犯行を繰り返す空き巣犯も増えています」とのことだ。ちなみに、マンションのベランダは死角になりやすいので、犯行を行いやすいのだという。

この他にも、入手経路は定かではないものの、合い鍵を使って堂々と侵入する窃盗犯も多いそう。その数は年間約1,700件にも及ぶ。鍵の管理を厳重にし、住所が分かるものと一緒には持ち運ばないように心がけることが大切だ。

これらを知ると、侵入窃盗がいかに身近で起こっているのか、またどのような住宅が狙われやすいのかがわかるはず。自分の住環境に合った防犯対策を考えることが必要と言えるだろう。

※出典:警察庁「平成23年の犯罪情勢(2012年)」「平成26、27年の犯罪情勢(2016年)」および、警察庁「平成14年~平成28年における警備業の概況(2003~2016年)」